アメリカの大学院の課程(Program)は、
- 修士課程(Master’s Degree Program)
- 博士課程(Doctoral Degree Program)
これら二つの課程に大別されます。Degreeは学位という意味です。
修士課程
修士課程は、四年制大学を卒業した人が、さらに専門的な、あるいは実学に近い分野を学ぶ課程です。単位制ですので、単位取得のペースによって修了までの期間は異なりますが、だいたい1~2年かかるのが一般的です。単位数でいえば30~60単位です。修了すると修士号(Master’s Degree)を取得します。
授業に出席して、宿題を提出し、テストを受け、ペーパー(レポート)を提出する、という「コースワーク」が中心になり、大学4年生と同じクラスをとることもめずらしくありません。課程によってはインターンシップや実習が学習の大半を占めます。
修了にあたっては修士論文を提出しますが、課程によっては、論文を書くかどうかのオプションを設けています。博士課程をめざすのであれば、論文を書くほうのオプションを選ぶのがよいとされています。論文を書かない場合は、その代わりに総合的な試験を受けたり、クラスを一つか二つ多くとるといったことが課されます。MBAなどプロフェッショナル系の分野では、修士論文は課されません。
博士課程
博士課程は、修士課程よりも、さらに高度で専門的な課程に従事する課程です。この研究には「いままでだれもしたことがない」というオリジナリティが求められます。
プロフェッショナルスクールよりもアーツ&サイエンス系大学院のほうに、博士課程は多く見いだせます。ほとんどの分野で、博士課程を修了するとDoctor of Philosophy(Ph.D.)を取得します。
博士課程を修了するためには、通常4~8年くらい(修士課程を含む)かかります。10年かけてようやく博士号を得るという人も少なくありません。修了にあたっては、独自の研究やプロジェクトをベースとしたDissertationと呼ばれる博士論文を書き、それについての口頭試験を受けます。
博士課程で学ぶ人にはFellowshipなどの奨学金が与えられ、学費が全額免除になることもめずらしくありません。また日本のような学閥や徒弟制などがありませんから、本当に勉強が好きで、自分のペースで学問に打ち込みたいという人には、アメリカの博士課程は大きな魅力になるはずです。
修士・博士一貫課程
課程によっては、修士と博士がセットになっているものもあります。
大卒の人が入学するのですが、修士課程に入学するのではなく、博士課程に入学することになります。修士号は授与される場合とそうでない場合がありますが、目標はあくまでも「博士号を得る」ことです。
修士課程に比べると入学がよりむずかしいので、合格の可能性が低い、あるいは博士課程まで進むかどうか決められないという場合は、まずは独立した修士課程に出願し、その課程を修めたうえで、博士課程への進学を考えるほうがよいでしょう。