留学を成功させる英語 第3回:アメリカの大学を知る(2)

こんにちは! みなさんにとって、2014年はどんな年でしたか? 留学中のみなさんは、どのように冬休みをお過ごしでしょうか?

さて「留学を成功させる英語」の第3回は、アメリカの大学の種類についてお話しします。前回は州立(public)と私立(private)という観点からアメリカの大学をご説明しましたが、今回は少し異なる切り口からアメリカの大学を種別してみましょう。

 

アメリカの二年制大学と四年制大学

まず、アメリカの大学には二年制大学と四年制大学とがあります。

二年制大学をtwo-year college、四年制大学をfour-year collegeといいます。

二年制大学は大きく二つのタイプに分類できます。すなわち、

・公立のコミュニティ・カレッジ(community college

・私立のジュニア・カレッジ(junior college

これら2種類です。

 

コミュニティ・カレッジ

Community collegeは、おもにその地域に住む人を対象としています。その地域の住民であれば、だれでも学ぶことができ、学費も安く設定されています。職業訓練(vocational training)に力を入れているのもcommunity collegeの特徴で、多くの人は働きながら、自分に必要なスキルを身につけるために通っています。夕方や週末にいくつかの科目をとる、いわゆるパートタイムの学生(part-time student)が多く、学生の年齢が比較的高いことも際立っています。日本の短大とはかなり異なり、どちらかといえばカルチャースクールとか生涯学習講座のような性格です。

 

ジュニア・カレッジ

一方で私立のjunior collegeは、以下に述べる四年制大学の一般教養(general education)課程に相当するカリキュラムをしいていて、junior collegeの卒業生の大半が、四年制大学に進学しています。ある特定の技術を身につけるのではなく、幅広くさまざまな学問を学んで、将来に向けた指針をたてましょう、といった教育です。

 

リベラルアーツ・カレッジ

 アメリカの四年制大学は、大きくいって

・リベラルアーツ・カレッジ(liberal arts college

・総合大学(comprehensive universityresearch university

これら二つのタイプに分類されます。ほかに芸術の専門大学(art school)などもあります。

 

Liberal arts collegeは、アメリカにおける「大学教育」を最も象徴している大学で、全米に約600校あります。その大半が私立です。Liberal artsは「教養」と訳されることもありますが、幅広くさまざまな分野を学んで、自分の生きる道を探そう、というのがその教育の主眼です。

卒業するためには一つ以上の分野を専攻(major)として学ばなければなりませんが、専攻以外の分野もしっかり学び、また書く力・読む力・コミュニケーション力・リーダーシップといった素養を伸ばすことも重視されています。「人間を育てる」というのがliberal arts教育だといえるかもしれません。

 

総合大学

 総合大学は、いくつかの学部(schoolcollege)の集合体で、liberal arts collegeに比べると、大学院(graduate)レベルの研究により力を入れています。州立・私立のいずれもがありますが、レベルは「ピンからきりまで」です。Liberal arts collegeと総合大学を比べて、どちらがレベルが高いか、ということもいい切れません。ただ総合大学のほうがliberal arts collegeに比べて規模が大きい、とはいえます。

州立大学は基本的に州民を優先しますが、とくに一地域の住民への教育に力を入れている大学をregional universityといい、全米や全世界から学生が集まる大学をnational universityといったりもします。

なおアメリカでは医学(medical sciencemedicine)や法学(law)、獣医学(veterinary science)やカウンセラー教育学(counselor education)など、高度な専門性が求められる分野は大学院でしか教えられません。したがってこういう専門性の高い学部(professional school)は、基本的には総合大学にしか存在しません。医科大学院をmedical school、法科大学院をlaw schoolといいます。

 

リベラルアーツはアメリカの大学教育の起源

ところで、アメリカで最初にできた大学はHarvard Universityですが、これは私立大学です。当時はCollegeと呼ばれ、いまでいうliberal arts collegeでした。アメリカは州立よりも私立のほうが歴史が古く、いまでもIvy League(名門8大学の総称)をはじめ、名門と呼ばれる大学の多くは私立です。

Harvardがそうであったように、私立の総合大学のうち、とくに長い伝統を誇る大学は、おおむねliberal arts collegeとして設立されました。それが長い時間を経て、さまざまな専門的な学部が追加されていき、いまの総合大学をかたちづくるに至っています。そしてこれらの大学の一般教養学部(College of Arts and Sciencesなどといわれます)が、そもそも設立当初からあったliberal arts collegeであるのです。

先ほどliberal artsはアメリカの大学教育の象徴、というようなことを書きましたが、このような歴史的な成り立ちからしても、そのようにいえるわけです。

ところで、このliberal artsの「リベラルアーツらしさ」とは一体何なのか、となると、これはまた別の解説が必要になりそうです。というわけで、liberal artsについては別の回で詳しくお話しすることにしますね。

なお大学名にcollegeと付いていればliberal arts collegeで、universityと付いていれば総合大学だとは、必ずしも言い切れません。Universityと名の付くliberal arts collegeも少なからず存在します。Liberal artsと総合大学の違いは、名称の違いではなく、その大学の力の入れどころの違いだということになります。

 

次回は「アメリカの大学の受験」についてご説明します。といってもじつはアメリカには、日本の大学のような受験システムはありません――ではどうやって大学の合否が決まるのでしょうか? それは次回までお待ちください、ということで、みなさん、よい2015年をお迎えください!

 

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