単位を移行してアメリカの大学へ編入できる。放送大学は留学の救世主か?
アメリカの大学に留学したいけど費用が高くて・・・という人は少なくありません。アメリカの大学の学費は年々高騰を続けています。それに昨今の円安と長引く日本の経済停滞によるダブルパンチ。できるだけお金をかけずに留学したい。何かいい方法はないものか。そんな思いを抱いている人は多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、費用のハードルを見事に乗り超えてアメリカ留学を成し遂げたお二人の経験を紹介します。お二人とも、日本の放送大学を活用して大幅に費用を節約したことが共通点です。この記事が、お金のことで悩んでいる人のお役に立てば嬉しいです!
Wくんが博士号を取得したUniversity of Arizona
放送大学と期間工で留学費用のハードルをクリア!
まず紹介するのはWくん。Wくんは日本の高校を卒業後、2年間、期間工(※)として働きながら放送大学の授業をとって、アメリカのCoe Collegeという大学に3年生として編入、2年後に卒業しました。その後、University of Arizonaの博士課程に進学し、見事、博士号を取得しました。
そしてもう一人がCさん。Cさんは日本の高校に在学中(!)に放送大学で授業をとり、高校卒業後、Knox Collegeという大学に2年生として編入し、3年後に卒業。GAFAの一つの大手Tech系のソフトウェアエンジニアとしての就職が決まっています。
※期間工:住み込みで自動車工場や電気工場などで働くこと。寮に暮らすので生活費が安く済み、短期間でお金を貯めることができる。未経験でも就業でき、お給料もいい。この期間工でお金を貯めて留学する人も少なくない。
高校生でも大学の単位をとれる?
お二人に共通するのが、放送大学を活用して留学したこと。みなさん放送大学ってご存知でしょうか? 放送大学は通信制の大学で、満15歳以上であれば授業を受けることができます。したがって、Cさんのように高校に在学しながらでも、大学の単位をとれるのです(Cさんは、一応、在籍する高校に許可をとったそうです)。1科目ごとの履修が可能で、しかも費用が安いのが大きな魅力です。なんと1科目(2単位)あたり12,000円。しかも教材費込みです。
お二人ともこの放送大学で単位をとって、その単位を留学先の大学に認めてもらい、「編入する(transfer)」ことにより、留学期間を短縮し、そのために費用も大きく節約できたのです。
日本の高校を卒業してアメリカの大学2年生に!
この「編入」を可能にしているのが、アメリカの大学の「単位制」。学年も卒業も、単位数で決まります。アメリカの大学の卒業単位はだいたい120〜130単位で、このうち半分まで、つまり60単位くらいまでは、他の大学の単位を認めてくれます。海外の大学でも、通信制の大学でもかまいません。もちろん放送大学の単位も、ちゃんと認めてもらえます。
Wくんは放送大学で20科目(40単位)をとって、Coe Collegeにその単位を認めてもらい、3年生として編入しました。しかも、期間工でお金をしっかり貯めてから留学しましたから、お金の問題をクリアできたのです。
Cさんは高3のときに放送大学で15科目(30単位)をとりました。そしてその単位をKnox Collegeに移行し、高卒からいきなりアメリカの大学の2年生になったわけです。
放送大学の単位が認められやすい科目とは?
さて、では放送大学の科目すべての単位がアメリカの大学に認められるかというと、そうではありません。基本的には、アメリカの大学の一般教養科目に相当する科目の単位であれば、認められます。
WくんもCさんも、栄 陽子留学研究所のカウンセラーからのアドバイスを受けて、アメリカの大学に認められやすい科目を選びました。たとえば社会学や心理学、経済学、コミュニケーション、生物学、数学などです。そのため、二人ともめいっぱい単位を認めてもらえたのです。
一方で専攻科目は、アメリカの大学には認められにくい科目です。それぞれの大学のカリキュラムの個性があるからです。アメリカの大学としては、専攻に関する科目は自分の大学でとってほしいと考えています。Wくんの専攻は物理学ですので、放送大学でとった微分積分の科目だけは認めてもらえませんでした。教授から、これは専攻に関連する科目なので、ウチの大学でとってほしい、と言われたそうです。一般教養科目は、それほど大学ごとに内容のバラつきはありませんので、認められやすいということですね。
なお、外国語として学ぶ「英語」の科目も、基本的に認められません。アメリカの大学の英語は「国語」ですから、外国語としての英語とは根本的に異なるからです。
したがってアメリカの大学に放送大学の単位を認めてもらいたいのであれば、英語以外で、できるだけ一般教養科目として位置づけられそうな科目を選ぶのが望ましい、ということになります。
放送大学のレベル
放送大学はれっきとした「大学」ですから、開講されている科目は、もちろん「大学レベル」のものです。しかも教授陣はその分野の大家であることが多く、かなり質の高い授業が行われています。
授業は、テレビやラジオ、インターネットで配信されますが、授業の動画が放送大学のWEBサイトにアップされているので、リアルタイムでなくてもいつでも視聴可能です。
いわゆる中間テスト・期末テストがあって、中間テストに相当するのが「WEB通信指導」、期末テストにあたるのが「単位認定試験」です。いずれも、ほとんどの科目はオンラインで解答・提出します(そのため、日本国外からでも放送大学の授業をとるのが可能になりつつあります)。成績はおもに単位認定試験の結果で評価されます。
放送大学の授業はむずかしいのか?
Cさんは高校生活と両立させるために、放送大学の勉強は朝に行うようにしていたそうです。授業や教科書の内容をノートにまとめる、というやりかたで、とくに変わったことはしていませんが、やはり毎日の積み重ねが大切のようですね。
Wくんも基本的には教科書を読んで理解を確実にして、あやふやなところは授業を視聴して確かめるようにしていたとのこと。
Cさんは各学期に7, 8科目をとりましたが、現役高校生にとってはちょっと多すぎるかなと感じたそうです。周りにCさんと同じ状況の人がいなかったので、孤独な戦い、というか、そういう面での大変さもあったようですね。
そんなCさんがとくに苦戦したのは線形代数の科目。彼女はもともと文系で、高校レベルの数学もそんなにとっていなかったので、かなり気が抜けなかったそうです(そんなCさんはアメリカの大学ではコンピュータとデータサイエンスをダブルで専攻したのですが)。Wくんも、理系の科目は一つひとつ理解しないと前に進めないので、着実に理解する→次へ進む→着実に理解する、ということの繰り返しだと述べていました。単位認定試験の前に詰め込めばいい、というわけではないようです。
心理学やコミュニケーションの科目は、Cさんにとってはおもしろい科目だったそうです。コミュニケーションの科目では、第一印象のことや人間関係のことなどで、学ぶことも多かったとのこと。Wくんがとったコスモロジーの科目も、理系というよりも概念を学ぶ要素が濃く、文系の人でも学びやすいと感じたそうです。
留学費用を節約したいなら放送大学は有効です!
こうして二人とも、アメリカの大学に放送単位を認めてもらい、留学期間の短縮と留学費用の大幅な節約を可能にしたのですが、さらにそれぞれの大学から奨学金をタップリもらい、二人とも1年間の学費が半額くらいになったとのこと。これは高校の成績と放送大学の成績がともに評価された結果といえるでしょう。
留学費用を節約するのに、放送大学の活用はきわめて有効です。Wくん、Cさんともに「留学費用を節約したいのなら、放送大学を使わない手はない」と言います。
留学したい、放送大学で単位をとって費用を節約したい。でも、どの科目をとればいいのかわからない。そんな人は、ぜひ栄 陽子留学研究所にご相談ください。具体的な科目名も含めて、アドバイスしますよ!
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