留学を成功させる英語 第2回:アメリカの大学を知る(1)
みなさんこんにちは!
「留学を成功させる英語」の今回から4回にわたって、
- アメリカの公立大学と私立大学
- アメリカの大学の種類
- アメリカの大学の受験
- アメリカの大学生のありかた
これら四つの視点から、英単語や語句を紹介しながら、アメリカの大学の特徴をご説明していきます。今回は「アメリカの公立大学と私立大学」についてお話しします。
4000以上もあるアメリカの大学
アメリカには4000以上もの大学があります。「大学」の定義は国によってさまざまですが、それでも世界でずば抜けています。「アメリカの大学(colleges in America)」と一くくりにするにはちょっと多すぎる数です。志望校を選ぶという観点からすると、とくに留学生にとっては、この4000という数を前にすると、ちょっと途方に暮れてしまいそうです。
そこで、まずはこの4000の大学をいくつかのポイントで分類してみましょう。
アメリカの大学は、公立と私立とに区分けされます。公立をpublic、私立をprivateといいます。
アメリカの公立大学
アメリカのpublicの大学は、国立、州立、市立などがありますが、アメリカには国立大学はごくわずかしかありません。それも士官学校(military academy)など軍事系のものばかりですので、じつは留学生にとって「アメリカの国立大学」は志望校選びの対象とはなりません。ちなみにこうした士官学校を運営しているのはアメリカ連邦政府(US federal government)です。
州立大学のことをstate college(university)といいます。アメリカでpublic college(university)といえば、おおむねstate college(university)のことで、これらはほぼ同義的に使われます。
アメリカという国は、50の州(state)の集合体で、州ごとの自治権がとても強い国です。合衆国(United States)は「合州国」と訳すべきだと主張する人もたくさんいます。
教育についても同じことがいえます。国が全米の大学の統制をするようなことをせず、pubicの大学といっても、その運営は州ごとにされます。したがって日本の国立大学にあたる大学は、あえていえば州立大学ということになります。
アメリカの私立大学
一方で、私立大学のことをprivate college(university)といいます。国はもちろん、州からの規制を受けずに、独自の教育理念を掲げて実践しています。「独立した」という意味で私立大学はindependent college(university)ともいわれます。
州立大学の数はおよそ1500校、私立はおよそ2500校ですが、学生の数でいうと州立大学の学生数のほうが圧倒的に多くなっています。この学生数の差にはいろいろな理由がありますが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。
州立大学は州民が優先
さて州立大学は、州の税金(state tax)で運営されています。したがって州立大学は、入学基準(admission criteria)や学費(tuition)といった面で、州民を優遇します。たとえばUCLA(University of California, Los Angeles)の学費は、州民であれば年間13,000ドルほどですが、州外の人は約35,000ドルです。3倍近くも高くなるのです。
州民のことをstate residentとかin-state residentといいます。これに対して留学生を含めて「州外の人」のことをnonresidentとかout-of-state residentといいます。
私立と州立の大学の成り立ち
アメリカで最初にできた大学は私立のHarvard Universityです。1636年のことで、アメリカの独立宣言(The Declaration of Independence)がされる140年も前のことです。アメリカでは私立のほうが国よりも、そして州立よりも歴史が長いのです。国ができるよりも先に大学ができたわけですから、歴史の長い私立大学ほど「私立であること」に誇りをもっています。Independent精神もみなぎっています。
これに対して州立大学は、アメリカの国土が西へ西へと広がっていき、新しい州ができていくに従って、その州を豊かにする・富ませる目的で、農学や工学、畜産といった実習に重きを置き、州民である限り望めば教育のチャンスを与える大学としてできあがっていきました。
さまざまに異なる私立と州立のありかた
こうして成り立ちからして異なる私立と州立を比べた場合、より教養や学問に力を入れているのが私立大学で、より実学や職業訓練に注力しているのが州立大学だ、ということがいえます。もちろん個々の大学を見るとそのような単純な比較はできませんが、歴史的にはそのようにいえるわけです。
また州立大学は税金を支払っている州民を優先しますので、留学生に対してより門戸を開いているのは私立大学のほうだ、ということも一般論としてはいえるでしょう。そして全米的に見た場合、州立よりも私立のほうがレベルが高いとはよく指摘されることです。
これらをひっくるめて見ると、アメリカの州立・私立のありかたは、日本の国立・私立のありかたとは大きく異なることがおわかりになると思います。
今回は、4000以上もあるアメリカの大学を、州立と私立という観点からご説明しました。次回はこれと異なる観点から、アメリカの大学の種類をお話します。
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