日本人の英語コンプレックスと留学
出典元:Wikipedia
テニスの大坂なおみ選手が大変な人気です。
日本語が苦手な日本代表はおかしいという意見もあるようですが、日本にもこういう人がいていいと思います。
日本は先進国としては多様性があまりにも欠けているので、日本人にもいろいろな人がいるということを普通に受け止められるようになることが大切だと思います。
パパって英語できるの?
彼女は20歳で、これから日本語の勉強をするのは大変ですねぇ。
お母さんは日本人ですが、幼い頃からアメリカで生活しているので、英語のほうが楽ですからね。
当研究所のスタッフのご主人がアメリカ人で、日本語がペラペラなのですが、家でも会社でも日本語を使っているため、ついに3歳の娘から「パパって英語できるの?」と聞かれたという笑い話があります。
夫婦とも、英語教育・日本語教育を熱心にするというタイプではありません。
日本では、英語を小さい頃から教えるとか習うとかしたほうがいいと考える人が多く、2008年度から小学校で英語を教えるようになりましたし、保育所で英語を教えるとか、幼児に英語を教える塾のようなものが花ざかりです。
根深い「見た目」の劣等感
それでも日本人の英語への劣等感はなかなか消えません。
その理由の1つは、英語が勉強の対象になるので、どこかでイヤになってしまうこと。
もう1つは、欧米白人の外見に対する劣等感です。
洋服のモデルは、子供服でもいまだに白人が主流です。
まぁ洋服はもともと欧米人のもので、その体型や顔に合ったものをつくってきたわけですが。
英語への劣等感をなくすには、まず、欧米人が日本人よりかっこいいという固定観念をなくさなければなりません。
高い背、長い足、高い鼻、大きな目、白い肌などです。最近太った人のモデルが出てくるようになりました。
とてもいいことです。
デザイナーも、日本人の体型に合ったかっこいい服をもっとつくる必要があります。
欧米人が東洋人に見る美しさは、私たちが見るのとちょっと違います。
私たちからするとエーっと思うような東洋人を奥さんにしているアメリカの著名人や大金持ちがけっこういるのです。
実際、欧米を旅すると、映画で見るようなかっこいい人は少ないことに気がつきます。
子どもを海外旅行に連れて行くのはとてもいいと思います。
留学すると漢字を忘れる?
小さいときから英語を教えても、英会話スクールに通わせても、高校生くらいになると、ほかの子と英語力の差はそんなにありません。
英検でいうとだいたい2級か準2級くらいです。
当研究所からアメリカに留学する人の年齢は、15~25歳くらいが多いのですが、結論からいうと(データをとったわけではありませんが)、どの年齢で留学しても、身につく英語力に大きな差はありません。
私が、「この人は英語が本当に上手だ」と思う人は22歳で留学しましたが、渡米前のTOEFL®スコアは26でした。
また、最近アメリカの弁護士資格をとった人は18歳で留学し、やはりTOEFL®スコアは26でした。
英検の4級くらいかな?
中3で留学して、漢字をすっかり忘れてしまい、親が日本の大学に進学させたというケースがいくつかありました。
留学も早ければいいというものではありません。
イギリスやオーストラリアなどに小学校から留学していて、大学はアメリカに行きたいということで相談を受けることがありますが、日本語も英語も中途半端になっているケースが少なくありません。
TOEFL®テストを受けると50くらいしか出せないということがあるのです。
口先はペラペラしゃべるのですよ、でも深くて長い話ができない。
高校留学か、飛び級留学か
いつ、どのようなかたちで英語を習得させるかというのはむずかしい問題です。
私は、孫はアメリカのボーディングスクール(寮制の高校)か、飛び級でさっさとリベラルアーツの大学に留学させようと考えていて、嫁に英語教育を小さいときからする必要はないと言っています。
ボーディングスクールはすばらしいのですが、何しろ費用が高い。
飛び級のほうは、高認(高等学校卒業程度認定試験)さえ通れば簡単にアメリカの大学に入学できる。
はてさてどうなるか。
ちなみに孫はまだ4歳です。
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著者情報:栄 陽子プロフィール
栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家
1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。
『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。