豊かな人生を送るヒントが詰まったアメリカの大学で音楽を学んでみませんか?
アメリカでは1,000校以上の大学で音楽を学べる
アメリカ留学の講演会(※)で、音楽についてもっと聞きたいというリクエストがありました。
日本では音楽や芸術や演劇などは、勉強の対象というより何か特別な分野と考えられていて、一般の大学ではなく、美大・芸大といった特別な大学でしか学べません。
また、そういう大学に入学するには実技のテストがあって、相当小さい頃から技術を高めていかなければなりません。
(※)毎月実施している栄 陽子による留学講演会。詳しくはこのページをご覧ください。
アメリカでは、芸術は数学や化学や文学と同じものだと考えられていて、どこの大学でもあります。
・音楽を専攻できる大学:約1,000校
・アートを専攻できる大学:約1,000校
・演劇を専攻できる大学:約1,000校
・ダンスを専攻できる大学:約360校
これだけの大学で、音楽やアートを学べるのです。ハーバードでもUCLAでもごく普通に学べます。
音楽の分野で有名なアメリカの大学
それに加えて芸術大学というのもあります。
また、総合大学で特に芸術部門が大きく独立した形になっているところもあります。
音楽の分野で名門といわれる総合大学を紹介しましょう。
Bienen School of Music / Northwestern University
Blair School of Music / Vanderbilt University
Eastman School of Music / University of Rochester
Frost School of Music / University of Miami
Herb Alpert School of Music / UCLA
Jacobs School of Music / Indiana University
Peabody Conservatory / Johns Hopkins University
The Shepherd School of Music / Rice University
Thornton School of Music / University of Southern California
こういう大学では、音楽ならオーディション、アートならポートフォリオの提出が求められます。
また、バイオリンか声楽か、油絵か彫刻か、といったように特定のものを選ぶことになっています。
大学の種類別に見たカリキュラムの違い
これに比べて他の多くの大学では、アートでも、基礎的なことから始まって、油絵でも水彩でも何でもできるようになっていますので、なんとなくアートをやりたいという人でも大丈夫です。
芸術大学と一般的な大学の、4年間のカリキュラムを比較してみてみましょう。
大学で音楽を学び、大学院でAIを学ぶことも可能
日本の大学では、最近のAIの発達に伴って文理融合という学科が新たにできてきて、何とかIT系の人材を増やそうとしていますが、ChatGPTやAIの進化の速さを見ていると、そんなことでは追いつかないように思えます。
アメリカでは、大学で演劇が第一専攻で、コンピュータが第二専攻で、それから大学院でAIやロボットへと進むことが可能で、AI系人材が世界中から集まってきます。
アメリカの大学院で音楽を専攻している人も、大学ではコンピュータを学んでいたりする人もいますし、大学院でロボットを勉強している人が、大学で演劇をやっていたりします。
ロボット工学を勉強している人が、大学で音楽や演劇を学んでいたら、おもしろそうなロボットができる可能性があると思いませんか?
理系・文系・芸術系と分かれていることは、すごい時代遅れで、人間が、体を使ってめいっぱい働くことを期待される工業社会の勉強方法です。
これからは、何が起こるか、ちょっと予想がつきません。
気候変動も激しく、2050年ごろには気温が上がりすぎて住めなくなる地域すらあり得ます。
多くの仕事がAIに取って代わられます。
したがって、この勉強をしていれば大丈夫とか、この仕事に就いていれば大丈夫、ということにはなりません。
幅広く学んで好きなことを見つけよう
10代で受験勉強に明け暮れるのではなく、何か自分が楽しくなること、好きになれそうなことを探してみるべきです。
いろいろなところに出かけたり、たくさんの映画を見たり本を読んだり、いろいろな人に会って話を聞き、たくさんの経験をすべきです。
その中には、音楽もダンスも演劇もアートも含まれます。スポーツも大いにけっこう。
そして大学ではなるべく幅広く勉強することです。言い忘れましたが、アメリカの大学では体育系も分かれていません。
多くの大学に、スポーツサイエンスやスポーツビジネスなどの専攻があります。
なるべくたくさんの分野の、幅広い経験が、100歳を超えて生きるこれからの時代には必要です。
とくに芸術分野は、長い人生に豊かな彩りを与えてくれるはずです。
日本の大学も工業社会の教育から脱皮しなければなりません。
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著者情報:栄 陽子プロフィール

栄 陽子留学研究所所長
留学カウンセラー、国際教育評論家
1971年セントラルミシガン大学大学院の教育学修士課程を修了。帰国後、1972年に日本でアメリカ正規留学専門の留学カウンセリングを立ち上げ、東京、大阪、ボストンにオフィスを開設。これまでに4万人に留学カウンセリングを行い、留学指導では1万人以上の留学を成功させてきた。
近年は、「林先生が驚いた!世界の天才教育 林修のワールドエデュケーション」や「ABEMA 変わる報道番組#アベプラ」などにも出演。
『留学・アメリカ名門大学への道 』『留学・アメリカ大学への道』『留学・アメリカ高校への道』『留学・アメリカ大学院への道』(三修社)、『ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(ワニブックスPLUS新書)』、ベストセラー『留学で人生を棒に振る日本人』『子供を“バイリンガル”にしたければ、こう育てなさい!』 (扶桑社)など、網羅的なものから独自の切り口のものまで、留学・国際教育関係の著作は30冊以上。 » 栄陽子の著作物一覧(amazon)
平成5年には、米メリー・ボルドウィン大学理事就任。ティール大学より名誉博士号を授与される。教育分野での功績を称えられ、エンディコット大学栄誉賞、サリバン賞、メダル・オブ・メリット(米工ルマイラ大学)などを受賞。