コロナ禍でのアメリカ大学留学【授業】編
こんにちは! アメリカのHollins Universityに留学したあんです!
前回から、「コロナ禍でのアメリカ留学シリーズ」をブログで書いています。今回はコロナ禍において、どのように授業やテストが行われたのか、私の経験をもとにお話ししていきます。
2020年秋学期、私がとったクラスは
- Film Disney and Miyazaki ディズニーとジブリの映画について、歴史や文化的な背景から学ぶフィルムのクラス。ディスカッションがメイン。
- Motivation and Emotion 人間の動機や感情についての心理学の授業。
- Senior Seminar for Psychology Majors 心理学を専攻している4年生全員が必須の授業。毎授業で、学生1人が教授の代わりにレクチャーをし、ディスカッションを進める役割を担う。
- German Intermediate Level ドイツ語中級。
- PE Super Shero 体育の授業。詳細は記事の後半に書いています。
- Tennis 初心者から中級者向けのテニス。
です。
教授のお宅でご飯
コロナ禍のアメリカ大学。3つの授業スタイル
授業スタイルは、
- 完全オンライン
- 対面
- ハイブリッド(オンラインと対面のミックス)
の3種類。
自分のとる授業がどのスタイルで行われるかはスケジュールを見ると記載されているので、履修登録の際にはわかるようになっていました。
完全オンラインの授業
5つのクラスのうち、完全にオンラインだったのは、ドイツ語中級のみでした。
発音や音読、プレゼンテーションなどすべてがZoomで行われました。グループ/ペアワークは教授がブレイクアウトルームを使って私たち学生を2, 3人の部屋に分けてくれたので、通常の対面クラスのようにすることがきでました。
クラスの学生数が5人だけだったこともあり、音読や回答の順番が頻繁に回ってきたため、退屈したりオンラインの壁を感じたりすることはありませんでした。
文法に関しては、教科書をしっかり読んで課題をやれば問題はありませんでした。でも、発音と理解度の確認については、やはりオンラインの壁が立ちはだかりました。
教授や学生の全員が接続状態のよい場所にいるわけではないため、音声が途中で途切れたり、画面が固まってしまったりすることも多々ありました。
中級レベルの授業で使われたドイツ語は、よく聞き注意を払ってようやくなんとなく理解できるレベルだったので、私たち学生にとって音声の接続状況はセメスター(学期)を通して大きな問題でした。
理解度の確認は、教授も学生も共に大変だったと思います。教室にいれば、だれがどのくらいのスピードで問題を解くことができるか目で見てわかりますが、Zoomの場合はそう簡単にはいきません。まだよく理解できていないけれど、質問するタイミングを逃してそのまま授業が進んでしまったことも何度かありました。
不便な点もありましたが、ドイツ語の映画を見るときにスクリーンシェアをしてくれたり、オンラインならではのゲームをしたりと、むずかしい環境でありながらも最大限に学べるように工夫してくれた教授に感謝です。
上の写真は、教授がキャンパスの近くに住んでいいたため、せっかくだから1度はみんなでドイツ料理を食べようという教授のご好意で、お家にご招待していただいたときのものです。ずっとZoom上で会っていた教授やクラスのみんなにやっと対面して話ができたときはとても嬉しかったです。
ハイブリッドの授業
授業を受けた講堂
多くのクラスが、「ハイブリッド」といって、オンラインと対面を混ぜた形式で行われました。
この学期に私がとったクラスのうち、フィルム、シニアセミナー、そして心理学のクラスはハイブリッドでした。
どのクラスも、パワーポイントと、キャンパスで対面授業を受けている学生の様子をZoomで見られるようにすることで、全員が同じ時間に授業を受け、ディスカッションをできるようになっていました。
どのクラスもAuditorium(オーディトリアム)という講堂で行われました。大きなスクリーンとたくさんの席のおかげで、大勢の学生が一緒に授業を受けることができました。
フィルムの中間試験では、対面の学生は教室でテストを受け、オンラインの学生は自宅から同じ時間に同じ問題のテストを受けました。
唯一普段と違ったのは、紙に回答を書くのではなく、各自ラップトップを講堂に持って行き、教授がアップロードしたWordのファイルをダウンロードし、それに回答して、時間以内に回答したWordのファイルを教授にメールで送るというやりかただったこと。
パソコンでテストを受け、さらにメールで提出するなら、なんで講堂に来る必要があるのだろう? とみんなが思っていたはずですが(笑)、自分の部屋でテストを受けるよりもより集中できたと私は感じました。
100% 対面の授業
この学期に唯一対面だったのは、体育のクラスです。
私の大学では、卒業までに2つ体育のクラスをパスすることが卒業要件に含まれていたので、それまで1つしか体育のクラスをとっていなかった上に、この学期が私にとって最後のセメスターだったので、とらざるを得ませんでした。
コロナ禍ではありましたが、驚くことにほとんどの体育のクラスが通常通り開講され、普段との違いは、感染を防ぐために、マスクの着用が義務づけられていたことと、ボールやロープなどの道具のシェアは基本的に許可されていなかったことです。
テニスのクラスではラケットやボールを使うので、コーチが除菌するものを準備し、使ったボールはカゴに戻して他の人が触れないようにしたり、1コートに入れる学生の人数を制限したりと、徹底した対策をしていました。
もう1つのSuper Sheroという体育のクラス(女子大なのでHeroではなくShero)では、腕立てや腹筋、ジャンプ運動や芝生の上を走るなど、基本的なエクササイズを各自一定の距離を保って行うことができ、コロナ以前の体育のクラスと何も変わらない内容でした。
ただ、1時間運動しながらずっとマスクをつけているのはとても苦しかったです。
完全オンラインの期末試験
私の在籍していた大学は、アメリカの他の多くの大学と同じように、サンクスギビングブレイク(感謝祭休暇)が始まると同時に寮を閉鎖することが決まっていました。そのため、期末試験はどのクラスも対面で行われることはなく、基本的にTake-home Test、プレゼンテーション、ペーパー(レポート)のいずれかになりました。
Take-home Test
フィルム、シニアセミナー、心理学、そしてドイツ語のクラスでは、テイクホームテストといって、各自オンラインでテストを受けて提出する形式がとられました。
テイクホームテストの特徴は、多くの場合オープンブック(教科書やノートを参考にしてもよいこと)です。
暗記する量は減りますが、その分、より思考力を求める問題になるので、決して簡単ではありません。実際、シニアセミナーのテストはテイクホームのオープンブックで、テストの問題を解き始めてから提出するまで私は3日ほどかかりました。
ペーパー
心理学のクラスでは、7, 8ページのペーパーをグループワークとして提出しました。
私のグループは、1セメスターを通して学んだことを生かして、ポジティブ心理学の視点から見た摂食障害の患者へのIntervention(介入治療)プランをまとめました。このプランでは、患者のモティベーションや可能性といったポジティブな点をとり入れました。
グループメンバーとのミーティングは、普段なら授業の合間に時間を見つけて対面で行うのですが、コロナ禍ではZoomやFacebookメッセンジャーでのやりとりになっていたので、1人ひとりがより一層責任をもって、それぞれ担当の仕事をすることの大切さやチームマネジメントの大変さを学びました。
とくに私のグループでは、メンバーが1人途中から音信不通になってしまったため、残りのメンバーと私2人で計画を書き上げる作業をすることになりました。予想外の展開でしたが、最終的によいペーパーを提出することができたのでホッとしています。
ちなみにこの心理学のクラスは、ペーパーの内容をプレゼンすることも期末試験の内容でした。ただ、オンラインという制限があったため、
- 発表当日にスクリーンシェアをしてプレゼンする
- 事前にレコーディングしたプレゼンを再生する
という2つの選択肢が与えられました。
お気に入りの勉強スポット
まとめ
2020年秋学期の授業一覧
上の写真が、私の大学の2020年秋学期の授業一覧です。これを参考にして履修登録をします。
一番右端のTeaching Modalitiesに、それぞれのクラスがどの形式で行われるのか書かれています。In Person GroupにAとBがあるのは、学生と教授が一定の距離を保てるように1クラスに入れる人数が決まっていたため、グループ分けをする必要があったからです。
さて、2020年の秋学期は、オンラインやハイブリッドの授業など、だれにとっても初めての状況でしたが、夏に教授たちが準備をしてくれてきたおかげで、普段と変わりない学習をすることができました。
友だちや教授の顔を見ながら生活することはできませんでしたが、与えられた環境の中で最大限に学べた学期だったと思います。
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