アメリカの弁護士のスキルとは?

みなさんこんにちは! 今回の「留学ブログ」では、アメリカの弁護士のスキルについてお話しします。

アメリカのテレビドラマや小説で弁護士が活躍するストーリーがよくあります。

大都会の大きな弁護士事務所に所属し、金融分野の法律コンサルティングや大企業相手の訴訟で億単位の年収を稼ぎ出す敏腕弁護士もいれば、交通事故や離婚の訴訟や示談でささやかな費用を得てなんとか事務所の運営をやりくりしている弁護士もいます。

いずれにしてもアメリカで弁護士になるためには、大学卒業直後、または大学を卒業した後に職務経験を積んだうえでロースクールに入り、教育を受けなければなりません(日本もアメリカの制度を採り入れ、弁護士になるためには法科大学院で教育を受けることが一般的になりました)。

ロースクールを修了し、J.D.(Juris Doctor)という学位を得て、Bar Examと呼ばれる司法試験を受けて合格すると晴れて弁護士となります。


ちなみに、日本人がアメリカのロースクールでJ.D.をめざすプログラムに留学するのは容易ではありません。

大学の成績証明書、エッセイ、推薦状をはじめ、さまざまな出願書類とともにLSAT(Law School Admission Test)というテストの結果を提出しなければならないのですが、英語を母語としない日本人はこのテストでなかなか良いスコアが取れないためです。そのため、アメリカのロースクールに留学する場合、LL.M.(Master of Laws)という留学生対象のプログラムに入るのが一般的です。

話を戻し、アメリカにおいてJ.D.を取得後、Bar Examをパスし、弁護士となった人が持っているべきスキルはどのようなものと考えられているのでしょうか。Law School Admission Council (LSAC)によると、そのスキルとは以下のように表現されています。

Reading and Listening
弁護士は膨大な量の情報と対峙し、その情報を効率よく消化しなければなりません。同時にクライアントの言うことを聞き、その重要なポイントを理解することが必要です。

Analyzing
弁護士は問題の本質を見極められなければなりません。ある問題に内包されているさまざまな要素の相互関係を分析し、問題解決に導くことが求められます。

Synthesizing
弁護士には重点的かつ効果的に膨大な量の資料を整理する能力が求められます。多くの争点の複雑性と、それらの争点に当てはめる法律の数の多さは、この能力の重要性を物語っています。

Advocating
弁護士はクライアントの利益を代弁しなければなりません。アメリカの司法制度においては、対立する利益を激しくぶつけ合うことによって公正な解決が生まれると考えられています。そのために、弁護士は書く・話すことによって主張するスキルが求められます。

Counseling
弁護士は法律相談を通じてカウンセラーの役割も果たします。

Writing and Speaking
弁護士は効果的なコミュニケーターでなければなりません。考えや見解を明確かつ正確な言語に表現できなければならないのです。

Negotiating
弁護士の主な役割の1つは利益や意見の対立の調整です。そのため、弁護士は対立する両者が合意点に達するためのファシリテーターになることが求められます

このようなスキルは弁護士だけでなく、程度の差はあれども社会で責任ある立場で働くために必要なスキルであると言えます。また、これらのスキルの基礎は、アメリカの大学においてディスカッションを通じての授業や、ペーパーをたくさん書くことによって培われるとも言えるでしょう。

追記:「アメリカ中西部のキャンパス訪問の旅」連載中に、「箸休め」的にこのトピックのブログを掲載しましたが、キャンパス訪問記はその終盤を迎えるために来週戻ってきます。



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