留学生のための大学訪問記:MIT マサチューセッツ工科大学
みなさんこんにちは。アメリカの高校で進路指導のカウンセラーをしている佐和です。
今日はマサチューセッツ州ボストンにある工科系の名門MIT(Massachusetts Institute of Technology 、マサチューセッツ工科大学)を訪問してきましたので、そのレポートをお届けしたいと思います。
4月とはいえ寒い日でした。チャールズ川を超えて吹いてくる風のせいですね。ダウンジャケットを持ってきてよかったです。
マサチューセッツ工科大学
MITってどんな大学?
MITは1865年に設立された、世界的に有名な工科大学です。日本でもよく知られていると思います。
ハーバード大学からは歩いて30分くらい、訪問したときには学部生・大学院生あわせて11,000人ほどが在学していました。学部生よりも院生のほうが少し多いくらいです。168エーカー(東京ドーム約15個分)のキャンパスは、都市型で小さめといったところです。
今日は、インフォメーション・セッション(いわゆる説明会)と学生ツアーに参加してきました。
ツアーを案内してくれたのは数学とコンピュータサイエンス専攻の女子学生です。
春休みということもあって、のんびりとしたペースでいろいろと案内してもらえました。上の写真は有名なMITのGreat Dome(通称「ドーム」)です。
MIT = 秀才の集まり
MITというと、みなさんはどのような印象を抱きますか?
アメリカの高校生からすると、MITには理系のすごい秀才がいっぱいいるという印象です。
合格するのも大変ですが、入学してからも、あまりにも宿題がむずかしいので、グループで協力して宿題に取り組むようです。教授のほうも、グループでの取組を前提として宿題をデザインしているみたいです。
必須科目も多く、化学・物理学・数学はもとより、ライティング(文章術)など文系の科目もいくつかとらなくてはならないそうです。世界的な課題の解決に向けてよく考えてほしい、と大学側が考えているからだと思います。
アメリカの大学では、毎年新入生を迎える際に在学生がイベントを催します。これはだいたいどこの大学でもやっていて、とても楽しいものですが、在学生が新入生のために実際に乗れるローラーコースターをつくってしまうのは、いかにもMITらしいと思います。
MITのキャンパスツアー
さて今回のキャンパスツアーは、20人くらいのグループで行われました。
コンピュータ学部
上の写真は、フランク・ゲーリーがデザインしたコンピュータ学部の建物(Stata Center)です。
かなりすごい感じですね。建物の中もなかなか普通じゃないらしく、ここで会議を開くとみんな会議室が見つからなくて遅れて来るそうです。
地球惑星科学部
上の写真はイオ・ミン・ペイ(IMPei)がデザインした地球惑星科学部の建物です。
このたくさんの窓、みなさん何に見えますか?
「テトリス」のゲームみたいと答えた人は勘がいいですね。テトリスそっくりと思った学生たちがこっそりすべての窓に特別な蛍光灯をつけて遊べるようにしたこともあるそうです。
ジョイスティックも建物前の広場に配置され、だれでも使えるようになっていました。これは有名な「MITハック」として全国的なニュースにもなりました。
MITのいたずら「ハック」とは?
みなさん、ハック(hack)ってご存知ですか?
ハックとは、知的で害のないイタズラと考えていいと思います。学生は大学当局には内緒でこっそりやるのですが、ほとんどの場合、結局はみんなで笑ってしまうという感じです。
テトリスゲームもこのハックの1つです。
MITのハックはとても有名で、ドームの上にパトカーを乗せたり(本物のパトカーです)しています。みなさんも興味があったら調べてみてください。毎年本当にいろんなことをやっています。ハックを実行した学生のうち、のちにノーベル賞を受賞した人もいるんですよ。
まとめ
本当に寒いツアーでしたが、うちの娘は感激したみたいで、ツアーガイドさんにいろいろ質問していました。以下、彼女の感想です。
- 1年生の最初の学期は成績がつかない(ちょっとむずかしめの科目もチャレンジしやすいようになっている)、クラブも初心者でも入りやすいようになっている、など、大学が学生に新しいことにトライしてほしいという姿勢がうかがえた。
- 本当にいろいろなことに興味がある人がいそうで、ここでは人間としてさまざまな面で成長できそうな気がする。
- 理工系の大学にかかわらず文系の必須科目がたくさんあるのは、卒業後ここで学んだことを生かして世の中にもっと貢献してほしいと大学が考えているからだと思う。
とのことでした。
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