留学のための予防接種
みなさんこんにちは!
今回の「留学ブログ」では、アメリカの大学に留学する際に必要となる予防接種についてご説明します。
留学のための予防接種――意外と知られていないことではないでしょうか?
でも、アメリカの大学に入学するにあたって、留学生はみんな必ず予防接種を受けなければなりません。しかも複数の注射を受けたり、検査を重ねたりするので、すべての接種を終えるまで長い時間がかかります。さらに州によっても予防接種の規定が異なります。
予防接種は「早め」に始めるのが肝心。このページを参考にして、スムーズかつ適切な予防接種の手続を進めましょう。
もくじ
留学に必要な予防接種とは
アメリカの大学に留学をするにあたっては、予防接種が必要になります。
アメリカの大学は寮生活が原則です。キャンパス内で1日24時間を過ごす学生たちの間で集団感染が広がってはたいへんです。それを防ぐために、入学生に対して予防接種を受けることが求められているのです。
州によって予防接種の種類の規定はいくらか異なりますが、一般的に次のような種類のワクチンで予防接種をします。
- 三種混合(DTP:ジフテリア・破傷風・百日咳)
- 小児麻痺(ポリオ)
- 破傷風・ジフテリア
- はしか、風疹、おたふくかぜ
- 水痘
- ツベルクリン
- 胸部レントゲン
- B型肝炎
- 髄膜炎
健康診断書について
アメリカの多くの大学では、予防接種証明書とともに健康診断書の提出も課しています。何か病気になったときに、その学生の健康状況などがわかっていないと、すぐに適切な治療ができないからです。
健康診断書については、いままでにかかった病気や健康状態について自分で記入する部分と、健康診断を受けたり問診によって医師に書いてもらう部分があります。
診断項目としては、
- 血液検査
- 尿検査
- 血圧
- 脈拍
- 視力検査
などがあります。
アメリカの大学の予防接種証明書フォーム
予防接種証明書のフォーム(書式)は、入学する大学のウェブサイトからダウンロードすることができます。
ヘルスセンターやヘルスサービスと呼ばれる部署が学生の健康管理を行っていますので、その部署のリンクからダウンロードします。
このダウンロードした書類を、予防接種や健康診断を受ける病院に持って行って、書き込んでもらうことになります。
要注意! 予防接種を受けるタイミング
留学生が予防接種を受けるにあたってやっかいなことがあります。
それは、予防接種を受けるのに時間がかかることです。一つの予防接種をすると、次の接種までに1か月くらいの時間を空けなければならないこともあります。
アメリカの大学は、9月に新年度が始まります。入学する大学が決まるのが、だいたい春ごろです。自分が入学する大学のフォームを使って予防接種を受ければいいのですが、春から予防接種を受け始めると、渡米までに間に合わなくなる可能性があります。
予防接種をしていないと、寮に入れてくれなくなったり、すぐに病院に連れて行かれたりすることもありますので注意しましょう。
当研究所では、予防接種と健康診断のフォームを用意していて、あらかじめそこに書き込んでもらっています。そして入学する大学が決まったら、その大学のフォームに転記してもらうようにしています。
一番行きたい大学のフォームに書いてもらうことから始めて、あとで別の大学に入学することになったら、その際に転記してもらうことでもいいでしょう。
すでに接種済みのワクチンについて
日本人のほとんどが、乳幼児期に4回にわたり三種混合(DTP:ジフテリア・破傷風・百日咳)と、小児麻痺のワクチンを2回接種しています。
母子手帳にその記録がありますので、母子手帳を病院に持って行き、医師にそれぞれのワクチンを接種した日付を予防接種証明書に記入してもらいます。そのほかにも過去に予防接種したものがあれば、その記録をもとに医師に記入してもらいます。
予防接種は、国によって考えかたが違います。日本では小さいときにやったからOKというようなものでも、10年以内にやっていなければダメというような場合もありますので、以下にワクチンの種類別のアドバイスを書いておきましょう。
留学生が予防接種を受けるにあたってのアドバイス
破傷風、ジフテリア
アメリカの大学に在学するにあたり、破傷風とジフテリアの予防接種を過去10年以内に受けている必要があります。
TDという破傷風とジフテリアの二種混合ワクチンを接種することが一般的ですが、大学によっては百日咳のワクチン接種もあわせて課しているところがありますので、その場合Tdapという三種混合ワクチンを接種します。
はしか、風疹、おたくふかぜ
アメリカではMMRというはしか・風疹・おたふくかぜの3種混合ワクチンを2回接種するのが一般的ですが、日本ではそれぞれのワクチンを接種します。
はしかは2回の接種が必須です。
過去にこれらの病気にかかったことがある人は、その抗体が十分にあれば予防接種は要りません。
ただし、病院で抗体検査(血液検査)をして、その抗体が十分にあるかどうかを調べる必要があります。抗体があった場合、医師にその数値と検査をした日付を証明書に記入してもらいます。なかった場合はワクチン接種をします。
水痘
過去に水痘にかかったことがある人は、はしか、風疹、おたふくかぜの抗体検査と同時に水痘の検査も行い、抗体があるかどうかを調べます。
抗体があった場合は、医師にその数値と検査をした日付を証明書に記入してもらいます。なかった場合はワクチン接種をします。
ツベルクリン
入学日から6か月以内のツベルクリン検査の結果が必要です。
日本人の場合、多くの人が過去にBCGワクチンの接種をしているため、ツベルクリン検査が陽性反応を示します。しかし、アメリカではBCGワクチンの接種が一般的ではないため、ツベルクリン反応が陽性になると、「結核ではないか」と疑われる可能性があります。
その対応として、胸部レントゲンを撮ります。また、BCGワクチンを接種した日付も証明書に記入しておくとよいでしょう。
胸部レントゲン
胸部レントゲンを撮り、問題がなければ医師に「Normal」と記してもらいます。
B型肝炎
B型肝炎の予防接種は、3回にわたって受ける必要があります。
1回目と2回目の接種の間隔を4週間空け、3回目の接種は1回目の接種から半年後です。
渡米までに3回の接種を完了させることが時間的にむずかしい場合は、2回の接種を日本で済ませて、3回目は渡米後にアメリカの大学で接種することになります。
髄膜炎
州の規定により、髄膜炎(Meningitis / Meningococcal disease)の予防接種を必須・推奨としている大学が増えています。
日本で髄膜炎の予防接種を受けておくことが望ましいのですが、アメリカの学校に入学してから、接種の必要性を判断して、接種するか否かを決めることもできます。
多くの州で、髄膜炎に罹患するリスクと、予防接種の存在を学生にきちんと告知することを学校に義務づけていて、その接種を受けるか否かは学生(18歳未満の場合は保護者)の意思で決定することになっています。
・・・今回の「留学ブログ」では、アメリカの大学に留学するにあたって必要な予防接種についてご説明しました。
けっこう複雑で、たいへんなことだと思った人も多いのではないでしょうか?
冒頭にも書いたように、アメリカの大学では、集団生活における感染症を防ぐために、こうした予防接種の証明を必要としています。きちんと接種を受けていないと、授業を受けることができない場合もあります。
時間に余裕をもって、一つひとつの診断と接種を確実に行うようにしましょう。
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